地域の特徴が反映されている
イタリアンというと具だくさんのチーズたっぷりのピザや、オイルたっぷりのパスタなどをイメージされる方が多いですが、日本で一般的なイタリアンと本場の味や料理には違いがあります。
日本でも地域によって郷土料理があるように、南北に長いイタリアも地域によって食文化が違います。
日本で定番のイタリアンは極一部の地域の特徴を持つ料理であったり、日本人の口に合うようにアレンジされた日本風イタリアンであることが少なくありません。
イタリアンといえばオリーブオイルをたっぷり使うイメージがありますが、酪農が盛んな山間部のミラノ地方ではバターを使った料理が主流だったりします。
また、地中海に面したナポリ地方では獲れ立ての新鮮な魚を用いたカルパッチョやアクアパッツァなどの魚料理やペスカトーレやボンゴレなどの魚介のパスタが主流ですが、海が遠い地方では肉を使った料理がメインとなり、魚料理はあまりメジャーではありません。
ピザにも違いがある
イタリアンの代表メニューともいえるピザにも違いがあります。
生地も地域によって異なっていて、ナポリピッツァはもっちり系、ミラノピッツァは薄いクリスピー系です。
日本では食感の好みで選びがちであり、お店によっていずれかのタイプを選べるところもありますが、お店によっていずれかしか提供していない場合には「ナポリ」とか「ミラノ風」といった店名やこだわりがないか確認してみるといいでしょう。
日本と本場では食べ方にも大きな違いがあり、日本では大きなピザを切り分けてみんなでシェアして食べますが、イタリアでは1人1枚が基本で交換して食べることもありません。
手で食べず、フォークとナイフで切り分けながら1人ずつ食べるのが基本的な食べ方です。
オリーブオイルがたっぷり使われるワケ
さて、地域によって調理法や食材に違いがあるとはいえ、イタリアンでオリーブオイルが大量に使われるのはなぜなのでしょうか。
1つには特産品だからというもので、地域に古くから根付いたものだからです。
温暖な地中海地方ではオリーブの木が育ちやすく、昔から栽培が盛んでオリーブオイルやオリーブの実の塩漬けなどの加工品が作られてきました。
日本の醤油のような位置づけともいえ、焼いたり、揚げたりといった調理に使われるだけでなく、サラダにかけるのはもちろん、チーズたっぷりのピザにかけたり、オイルで炒めて作られたパスタにもさらに回しかけて食べるのがイタリア流です。
日本でもアンチエイジング作用があるなどとオリーブオイルの良さに注目が高まっていますが、抽出法やランクにより、調理向け、そのままかける向けなどの違いがあるので、イタリアンの知識と並んで、オリーブオイルの特徴も学びたいところです。